HENNGE One は、HENNGE株式会社が提供する国内シェアNo.1のクラウドセキュリティサービスです。IDaaS(Identity as a Service)として多くの国内企業に導入されており、SSO(シングルサインオン)やアクセス制御の分野で高い実績を持っています。本記事では、HENNGE One の機能と制限事項を正確に整理した上で、LOCKED MSO が提供する差別化ポイントを解説します。
HENNGE One の概要
Edition体系と料金
HENNGE One は現在、用途別の Edition 体系で提供されています。
| Edition | 主な機能 | 参考価格(税別・月額/ユーザー) |
|---|---|---|
| Identity Edition | SSO、MFA、デバイス証明書、アクセス制御、プロビジョニング | 300〜500円 |
| DLP Edition | メール誤送信防止、添付ファイル自動URL変換、メール監査 | 個別見積もり |
| Cybersecurity Edition | メール脅威対策(Cloud Protection)、標的型攻撃メール訓練(Tadrill) | 個別見積もり |
| Ultra Suite | 全 Edition の機能をオールインワン | 600〜1,000円 |
料金はユーザー数(ライセンス数)単位で、Google Workspace / Microsoft 365 のライセンス数と同一での契約が基本です。
HENNGE One が選ばれる理由
- 国内シェアNo.1の実績: 導入企業数は4,000社以上、利用者350万人以上
- SSO連携サービス数が豊富: 230以上のSaaSと連携実績があり、連携数による追加課金なし
- 日本企業による開発・サポート: 日本語での手厚いサポート体制
- Google Workspace / Microsoft 365 との高い親和性: 主要グループウェアとの深い統合
IDaaS比較表
主要IDaaS製品の機能比較表。SSO対応アプリ数、MFA方式、ディレクトリ連携、価格体系などを一覧で比較できます。
HENNGE One Identity Edition の主要機能
HENNGE One の IDaaS 機能を担う Identity Edition には、以下の機能が含まれます。
- シングルサインオン(SSO): SAML認証により230以上のクラウドサービスと連携可能
- 多要素認証(MFA): プッシュ通知、TOTP、SMS OTP、FIDO2 に対応
- デバイス証明書: 第三者認証局による証明書で、許可端末のみアクセスを許可
- IP アドレス制限: 接続元IPによるアクセス制御
- セキュアブラウザ: 添付ファイルのダウンロードやコピーを制限
- ユーザープロビジョニング: 2024年7月より提供開始(対応サービスは順次拡大中)
- API(HENNGE Access Control API): 2023年6月より公開。外部システムとのユーザー情報連携が可能
HENNGE One を採用する際に考慮すべき制限事項
HENNGE One は国内向けIDaaSとして優れた製品ですが、企業の要件によっては以下の点が課題となる場合があります。
1. プロビジョニング対応サービスの範囲
HENNGE One は 2024年7月にユーザープロビジョニング機能を追加しましたが、対応サービスは現時点で Cybozu.com および Salesforce.com に限定されています。
影響するケース:
- 多数のSaaSを利用しており、全サービスへの自動プロビジョニングを求める企業
- HR システムとの連携により、入退社・異動に伴うアカウント管理を完全自動化したい場合
- SCIM 標準に準拠した幅広いサービスへのプロビジョニングが必要な場合
HENNGE Access Control API を活用すれば外部システムとの連携は可能ですが、個別の開発・構築が必要になります。
2. IdP としての位置づけによる制約
HENNGE One は自身が IdP(Identity Provider)として機能する設計のため、以下のケースで制約が生じます。
- 複数 IdP の統合: M&A や企業統合により、異なる認証基盤を統合する必要がある場合
- 既存 IdP との共存: Microsoft Entra ID(旧 Azure AD)や Okta を既に運用している環境との柔軟な連携
- オンプレミス Active Directory との統合: ハイブリッド環境での統合に追加の設計・構築が必要
3. アクセス制御ポリシーの柔軟性
HENNGE One のアクセス制御は、IP制限・デバイス証明書・MFA を組み合わせた制御が可能ですが、以下の高度な要件には対応が限定的です。
- リスクベース認証: ログイン時の地理的異常や行動パターンを分析し、リスクスコアに基づいて動的に認証強度を変更する機能
- きめ細かな条件付きアクセス: ユーザー属性・デバイス状態・アプリケーション・ネットワークなどを複合的に評価するポリシーエンジン
4. セキュリティ機能の範囲
Identity Edition 単体では、以下の領域はカバーされません(別 Edition や外部製品との組み合わせが必要)。
- メール脅威対策 → Cybersecurity Edition が必要
- 情報漏えい防止(DLP) → DLP Edition が必要
- エンドポイント保護 → Cybersecurity Edition が必要
Ultra Suite を契約すれば全機能が利用可能ですが、IDaaS のみを求める企業にとってはコスト面での検討が必要です。
5. 監査ログとコンプライアンス対応
HENNGE One は基本的な認証ログ(ログイン・ログアウト、SSO成功/失敗等)を提供しますが、金融機関や公共機関が求める詳細な監査要件に対しては、ログの粒度や保持期間について事前に確認が必要です。
LOCKED MSO との差別化ポイント
上記の制限事項を踏まえ、LOCKED MSO が強みを発揮する領域を整理します。
差別化 1:幅広いプロビジョニング対応
LOCKED MSO は SCIM 標準に準拠した自動プロビジョニング機能を標準搭載しており、対応サービスの幅広さが特徴です。HR システムとの連携による入退社・異動の完全自動化を実現します。
差別化 2:柔軟な IdP 連携
LOCKED MSO は、複数の IdP(Microsoft Entra ID、オンプレミス AD など)とのフェデレーション統合に対応しています。M&A による企業統合や、既存認証基盤との共存が求められるシーンで柔軟に対応可能です。
差別化 3:高度なアクセス制御
リスクベース認証や、複合条件に基づく条件付きアクセスポリシーなど、ゼロトラストセキュリティに対応した高度なアクセス制御を標準で提供します。
差別化 4:統合セキュリティプラットフォーム
LOCKED MSO は LOCKED Suite(MSO / DAS / MDM / ATP)の一部として、ID管理からデバイス管理、脅威対策までをワンプラットフォームで提供します。別々のEditionを組み合わせる必要がありません。
どちらを選ぶべきか
| 要件 | HENNGE One が適するケース | LOCKED MSO が適するケース |
|---|---|---|
| 主な利用サービス | Google Workspace / Microsoft 365 中心 | 多様なSaaSを横断的に利用 |
| IdP 環境 | HENNGE One を唯一の IdP として利用 | 複数 IdP の統合・共存が必要 |
| プロビジョニング | 対応サービス(Cybozu、Salesforce等)で十分 | 多数のSaaSへの自動プロビジョニングが必要 |
| アクセス制御 | IP制限・デバイス証明書・MFA で十分 | リスクベース認証・条件付きアクセスが必要 |
| セキュリティ範囲 | IDaaS 機能のみ、または Ultra Suite で対応 | ID・デバイス・脅威対策を統合管理したい |
| DLP・メール対策 | HENNGE One DLP / Cybersecurity Edition で対応 | 統合プラットフォームで一元管理したい |
まとめ
HENNGE One は国内シェアNo.1の実績を持つ優れたクラウドセキュリティサービスであり、特に Google Workspace / Microsoft 365 を中心としたSaaS環境でのSSO・アクセス制御において高い信頼性を持っています。
一方で、プロビジョニング対応サービスの拡充途上であること、複数 IdP の統合、リスクベース認証といった高度な要件に対しては制約があります。企業の成長や要件の複雑化に伴い、これらの制限が課題となる場合には、LOCKED MSO の導入を検討する価値があります。
重要なのは、自社の現在の要件だけでなく、将来の成長・変化を見据えて認証基盤を選択することです。
外部参考リンク
- HENNGE One 公式サイト
- HENNGE One Identity Edition
- HENNGE One 価格とプラン
- HENNGE One SSO対応クラウドサービス一覧
- HENNGE One アクセス制御機能
- HENNGE One ユーザープロビジョニング機能(プレスリリース)
- HENNGE Access Control API公開(プレスリリース)